控訴審 判決書(令和2年3月19日判決言渡 東京高等裁判所)
令和2年(2020年)3月19日、東京・霞が関の東京高等裁判所において控訴審の判決言い渡しがあった。判決書は全部で6ページ。判決では第1審でのNHKの主張を全面的に認め、私の控訴は棄却された。
判決書を読んだとき、私が真っ先に思ったことは、「NHKは合憲詐欺」であることに裁判所がお墨付きを与えた、ということである。弁護士さんを立てず、素人の私が今回の不払い訴訟の切り札としていたのが「NHK受信料制度」(放送法64条1項)を合憲とした2017年(平成29年)の最高裁判決の3つの縛り(①「健全な民主主義の発達に寄与する」②「国民の知る権利を実質的に充足させる」③「契約締結は双方の合意に基づく」)だった。
ところが本判決では、この最高裁判決は受信契約を締結しない者を対象としていて、すでに受信契約者である私の場合、事案が異なるという判断である。
「何を馬鹿な!」。「双方の合意を前提とする受信契約」において、合憲の理由とした3つの要件は「契約時」も「契約後」も同様に適用されなければ、詐欺も同然である。こんな子供だましのような判断を天下の東京高等裁判所というものが下していいのだろうか。しかも私が「放送法違反と思われる事例」として例証した全11項目の事例に対しても具体的な判断は示されなかった。
一審同様、初めから結論ありきの”忖度判決”と思わざるを得ない。司法に対する深い失望感とともに、安倍政権下における“三権分立の劣化”を身をもって痛感することになった。
これから2週間、私は最高裁へ上告するかどうか、ぎりぎりの決断を迫られることになる。その顛末は別稿にてアップしたい。