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安倍首相の支持率高止まりはNHKのおかげ。これは民主主義の危機だ!…リベラル系週刊誌「週刊金曜日」と保守系月刊誌「月刊日本」によるNHK批判特集(2019)

 今年(2019年)に入って、リベラル系週刊誌とされる「週刊金曜日」2月15日号(金曜日発売)と保守系雑誌とされる「月刊日本」4月号(K&Kプレス)がNHK批判の大特集を組んだ。

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 「週刊金曜日」は安倍晋三首相の「支持率高止まり」はNHKのおかげ――。これは民主主義の危機ではないのかと、最近まで問題となった番組を具体的に検証しながら、その問題点を指摘している。
 以下、見出しタイトルと執筆者。

エスカレートする政治部の忖度報道
・・・永田浩三武蔵大学教授・元NHKディレクター)
○勤労統計不正調査に見る作為の実態
・・・醍醐聡(東大名誉教授)
○「安倍目線」を解説する岩田明子「解説委員」
・・・山崎雅弘(評論家)
○なぜ首相の「サンゴ発言」を検証せず放置したのか
・・・戸崎賢二(元NHKディレクター)

○ここまで偏向している「アベチャンネル」の具体例
・2017年総選挙時における北朝鮮「ミサイル報道」の怪
・意図的にカットされた故翁長前知事葬儀での「抗議の声」
西日本豪雨に対する首相の「連日対応」はフェイク
・国会での森友学園疑惑追及報道では答弁すり替え

・・・本誌取材班

 

 「月刊日本」はいま、NHKが異常事態に陥っているとして、特集名がズバリ「安倍様のNHK」。なぜNHKの報道はここまでおかしくなってしまったのか、いまNHK内部で何が起こっているのか。長年、NHKで活躍してきた永田浩三氏と相澤冬樹氏にインタビューしている。

○岩田明子記者の虚報
・・・永田浩三武蔵大学教授・元NHKディレクター)
○握りつぶされた森友スクープ
・・・相澤冬樹(大阪日日新聞論説委員・記者・元NHK大阪放送局記者)

 両誌とも興味深い切り口でNHKの忖度報道、偏向報道の実態にスポットを当てているが、NHKの視聴者・受信契約者としてこういう特集を読んでいると、NHKに対する怒りや不信感が増幅してくる。
 「月刊日本」(2019年4月号)に掲載された永田浩三氏の「岩田明子記者の虚報」はWebサイト「ハーバー・ビジネス・オンライン」(2019.03.21)に転載され、SNS上でも注目された。

hbol.jp

  以下に、「岩田明子記者の虚報」に関する部分を抜粋して紹介する。

岩田明子記者の虚報

── 政権寄りの報道の典型が、岩田明子記者だと言われていますが。

永田:私は主にディレクターの世界で生きてきましたので、記者の世界にとりわけ詳しいわけではありませんが、岩田さんは、地方局時代、市民に寄り沿うような丁寧な取材をしていた時期もあったと聞いています。しかし、2000年に政治部に移り、2002年に安倍さんの番記者になりました。2007年に第一次安倍政権が短命に終わると、多くの記者が安倍さんから離れて行きました。これに対して岩田さんは、安倍さんを大事にし続け、信頼関係を築きました。彼女は、安倍さんのお母さんの洋子さんの信頼も得ました。彼女は、洋子さんの独占ロングインタビューも手がけています。

 政権からいち早く情報を取り、スクープを連発すること自体は批判すべきことではありませんが、問題はあまりにも政権に都合の良い報道ばかりをしていることです。

 日ロ交渉に関しても、岩田さんは「安倍首相のおかげで北方領土が戻ってくるのでは」というイメージを広げました。例えば昨年9月にウラジオストクで行われた日露首脳会談の際には、「クローズアップ現代+」に解説委員として登場し、「そこに居合わせた日本政府の関係者も『まるで日本への島の引き渡しを示唆しているように見えた』と話していました」などと解説しました。

 一方、日本は朝鮮半島の雪解けの蚊帳の外に置かれているにもかかわらず、岩田さんは、安倍総理が6カ国協議の「橋渡し役」を担っているなどと伝えています。

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 こうした報道は、誤報というより虚報です。彼女は、真実を知っているにもかかわらず、それとは異なることを伝えています。その罪は軽くありません。彼女は「取材、報道をする上で最も重要視している事は何か」と尋ねられて、「国益にかなうこと」と語っていますが、それは違います。記者として最も重視すべきことは、国民の知る権利に奉仕することです。

 

*この事例は、私が令和元年(2019年)5月21日、小田原簡易裁判所(→横浜地裁)に提出した答弁書追加書面「私の言い分」の中で取り上げた疑惑事例のひとつです。